2009年7月アーカイブ

奪われる日本 (講談社現代新書)

  

この本が発行されたのは2006年8月、ちょうど3年前に発行されたことになる。その間読む機会がなかったことを後悔しているが、遅くなったとは言え今回本書を読み、米国の陰謀とそれを規制緩和・行政改革と言い換えて国民を欺き実施してきた日本政府の姿を知ることができた。
著者は銀行員を経て再度大学で建築を学んだという変わった経歴を持っている。また、読んでみるとわかるが、非常に難しい日本語が多用されている。例えば「跳梁跋扈」「愚昧に惑溺」「大道糜爛」など。

内容については、まさに「米国によって何もかも奪われようとしている日本」について、公文書や新聞報道などの事実をもとに書かれたものである。秘密文書でもない「年次改革要望書」という宮沢・クリントン時代に始まった米国の外交公文書に、日本への内政干渉ともいうべき内容が記載され、驚いたことにそれが次々と実施されている。郵政民営化、新会社法、独禁法改正、派遣法改正、医療改革、裁判員制度などどれもこれも、米国による外圧を受けて日本が「規制緩和」の御旗の元に推し進めたことだ。最近読んだ「資本主義崩壊の首謀者たち(広瀬隆)」によれば、金融マフィアなどほんの一部の首謀者たちが米国政府をも牛耳って日本の資産を狙っているとのこと、年次改革要望書の中味もその首謀者たちの仕業ということになるのだろうか。
グローバル化という名のアメリカ化が進み、規制緩和・構造改革・民営化という名のもとに日本企業の外資化や国民の資産の米国への流出、格差拡大や弱肉強食化等が知らない間に進められていたということだ。郵貯の次は健康保険を狙っているらしい。とんでもない話だ。
「公務員は優遇されすぎている」「民間にできることは民間に解放すべきだ」と言われれば、その通りだと思ってしまう。このように一般国民の民意を誘導してアメリカ化を推し進めてきた米国傀儡政権には退場していただく必要がある。確かにアメリカに憧れを抱いたり、横文字がカッコいいと感じたりする気持ちもわかるが、そろそろ変わる必要がある。ちょっとおかしいと考えてみる必要がある。
最近、オバマ大統領の誕生、リーマンショック・金融破綻、GM破綻など、米国で新たな出来事が起こっているが、これらが今後の日本にどう影響を与えるのか、注意しておく必要がある。

講談社BOOK倶楽部:現代新書
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=1498533
目次
第1部 検証「平成の大獄」――郵政、そして医療
 第1章 郵政――アメリカの狙いはなんだったのか
 第2章 『年次改革要望書』はどう始まったのか
 第3章 前自民党議員たちはなぜ反対したのか
 第4章 医療――世界がうらやむ皆保険をなぜぶっ壊すのか
第2部 節度も品格も無き時代――小泉治世の検証
 第5章 M&A推進派はなぜ「日本」を売りたがるのか
 第6章 悪徳業者はなぜ世に蔓延るようになったのか
 第7章 談合はいつから犯罪になったのか
 第8章 あなたはほんとうに訴訟社会を望んでいるか
 第9章 日本政府は米国になにを「要望」しているか
第3部 皇室の伝統をまもれ!
 第10章 万世一系をなぜまもるのか
 第11章 こどもたちは知りたがっている


城山三郎の小説のTVドラマ化。
原作は読んだことはないが、昭和30年代の実在の通商産業省の事務次官(官僚)をモデルにしたものだ。
配役も良いしドラマとしてはおもしろそうだと思ったのだが、あるブログによれば、原作とはかなり違った内容になっているという指摘もある。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/d774cf9863b372007dff05d58397215b

それにしても、このような時期に、どうして殊更「官僚」を持ち上げるようなドラマが制作され放映されるのか、自民党の幹事長が善人面して描かれているのか、裏に何かがあるのではないかと勘ぐってしまう。


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