
タイトルと内容が必ずしも一致していないと感じたが、非常におもしろく読んだ。
正直なところ政治には興味はなかったし、誰が首相になっても同じと思っていたのだが、さすがに小泉以降の政治の状況はなんとかしてほしいとういう気持ちだ。民主党政権に変わったが今後どうなるかはまだ不透明だ。このような状況で読んでみようと思った次第。
内容は、時事通信社政治部記者の筆者が、30年間を振り返って書いたもので、第1章では、田中角栄以降の政治家を実名で挙げてその実像を述べている。細かいところまで書けないが、なるほどと納得するところがあった。
「はじめに」の中で、総理大臣は代表取締役社長と同じで、「情報収集と分析」「統治(ガバナンス)」「対策」の3つの能力が必要と述べている。社長自ら政策立案、政策実行はできないのは当然のことで、閣僚に誰を任命し、どう動いてもらい、その下の官僚組織にどう仕事をさせるかを考えるのが総理であろう。第1章に登場する政治家(小泉、麻生は除く)は、善し悪しはあるがそれぞれ特徴的な能力を発揮して、過去の政権を運営していたわけであり、それに比べると最近の総理大臣は信念というか、自分自身の筋が通っていないように思える。
この点について、フジテレビで放映されたキムタク主演の「CHANGE」を例に、総理大臣の理想像を説明している部分は分かり易かったと思う。
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
二代連続の政権投げ出し、ねじれによる国会の不全…経済の非常時に政治が機能しない。政治劣化の原因は政治家なのかシステムなのか。政治取材三十年の経験をもとに徹底的に論考する。
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【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 かつて政治家がいた
「風圧」田中角栄/「運用」竹下登/「デザイン」金丸信/「軍師」梶山静六/「操縦」橋本龍太郎、小渕恵三/「言葉」小泉純一郎/「あやふや」麻生太郎
第2章 人かシステムか
第3章 政権交代
「選挙」小沢一郎/民主党/小沢以前、小沢以後/民主党にまかせて大丈夫か/自民党は生き延びられるか
第4章 『CHANGE』に見る理想の総理像
第5章 政治報道
終章 明日の政治のため

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