
最近「○○崩壊」という言葉をよく見聞きする。金融崩壊、資本主義崩壊、学校崩壊、そしてこの本のタイトルの医療崩壊である。国民にとって重要な社会基盤が崩壊の危機に瀕している。
本書でも、医療崩壊の実例として救急患者のたらい回し、医師・看護師の不足、公立病院の閉鎖などが紹介されるが、国民皆保険制度の崩壊も進行していることに注意が必要だ。
いずれも「財政再建」というかけ声により医療費が削減され続けていることが原因である。これによりサラリーマンの保険診療の自己負担は、1997年に2割に、2003年には3割に引き上げられた。
財政の効率化のみが正義であって、それに反するものはすべて悪であるという政治が行われてきたということだ。この考え方が、拝金主義や格差社会にもつながっていると思われる。また、「官から民へ」のかけ声によって、小泉内閣で進められた郵政民営化と同じような構図が浮かび上がる。
しかし、現民主党政権のもとで医療崩壊を食い止めるための見直しが始まっている。まだ先は見えない状況だが、これまでの政治も医療行政もあまりにも杜撰すぎたのだと思う。これまで、あまりに無頓着だったことを再認識した。
—-内容(「BOOK」データベースより)
救急患者の「たらいまわし」、医療ミス頻発、医師不足、地域医療の荒廃、患者負担と保険料負担の増加…。医療制度に対する国民の不信・不安は、ここ数年で著しく高まっている。二〇〇〇年のWHOの発表で保健衛生システムの目標達成度が世界第一位と評価された日本が、なぜ医療崩壊への道を突き進んでしまったのか。財務省から厚生労働省へ出向中に医療制度改革に携わった元官僚が、医療制度のゆがみとそれを生んだ政策決定の過程を解説。さらに安心・信頼できる医療制度構築への方向を示す。
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目次(「BOOK」データベースより)
第1部 危機に瀕する日本の医療制度
増加する救急患者の「たらいまわ
し」
医療事故の頻発で増幅される医師と患者の相互不信
深刻化する医師不足問題
病院閉鎖と病床削減で崩壊する地域医療
増加する患者負担と保険料負
担)
第2部 「医療崩壊」の原因と求められる処方箋
「医療崩壊」の原因を探る
医療政策の決まり方
二〇〇六年度医療制度改革の舞台裏
安全・安心の
医療再生に向けて

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