
奥田英朗とはほぼ同世代だが、出身地も違うし東京で青春時代を過ごしたわけでもなく(あ、いや23~24歳の2年間だけ浦和在住東京通勤をしたことがあるな)、コピーライターをしたこともない。しかし、主人公の言動や気持ちに共感できるところが多く、懐かしい気持ちで読んだ。6つの短編がほぼ年代順に収録されているのだが、ジョン・レノンが死んだ最初の第1話だけが順番が繰り上がっている。作者の思い入れなのだろうか?
当時のできごとをあちこちに登場させて、昔の記憶を呼び覚ましてくれた。ノグチユミコ氏の表紙のイラストも感じが出ていて非常に良い。
目次
・あの日、聴いた歌 1980/12/9
大学を中退し広告代理店で働き出した頃のジョン・レノンが殺された日の出来事
・春本番 1978/4/4
予備校のため上京数日後、時間つぶしに同じ高校出身者の下宿を訪ね後楽園でのキャンディーズの解散コンサートを場外で聴いた
・レモン 1979/6/2
一浪して入った大学の演劇部で彼女が出来た話
・名古屋オリンピック 1981/9/30
・彼女のハイヒール 1985/1/15
親に仕組まれて同郷の女の子とお見合いのようなことをされた日の出来事
・バチェラー・パーティー 1989/11/10
独立して数年目、30歳直前のベルリンの壁が崩壊した日
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、幻の名古屋オリンピック、ベルリンの壁崩壊…。バブル景気に向かう時代の波にもまれ、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく久雄。80年代の東京を舞台に、誰もが通り過ぎてきた「あの頃」を鮮やかに描きだす、まぶしい青春グラフィティ。

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