“官僚とメディア” by 魚住昭(角川oneテーマ21)

官僚とメディア (角川oneテーマ21 A 62)

ジャーナリズムの大きな役割は権力を監視することである。権力とは三権分立の考えからは立法、行政、司法となるが、本書を読むと現在の日本においては行政(即ち官僚)の権力が最も強大であることがよくわかる。その中で表面的に権力を行使しているのは警察や検察だが、その他の官僚も見えないところで権力を行使している。正当に行使していると言うよりは、責任逃れや自らの面子・利益のために姑息に権力を使っていると言う方が正しい。
日本のメディア(マスゴミともいう)はその官僚(権力)の手先となって事実を歪曲して報道し、世論を誘導しようとしているから、さらにたちが悪い。
私も以前はそうだったが、多くの国民は新聞やTVの報道は正しいと信じている。その結果、TVや新聞の間違った報道や偏向した報道にだまされて、世論は操られてしまう。政権支持率調査結果などその最たるもので、信用に値しないものだ。なんと恐ろしいことが行われていることか?
真実を伝えるという使命を忘れ、商品としての情報をいかに売るかだけを追求するのがマスゴミだ。発行部数や視聴率を指標として利益を追い求めている。従ってコストがかかる取材活動は軽視され、記者クラブなどを取材源とする官僚からの垂れ流し情報のみに依存した各社横並びの報道内容となるのではないか?
著者は元共同通信の記者だが、このようなまともなジャーナリストは利益主義のマスゴミの中には、存在し得ないということだろう。真のジャーナリストの意見が、広く多くの国民の耳に届くことを期待する。

—–
内容紹介
佐藤優(起訴休職外務事務官) 絶賛!
「国家もマスコミも内側から壊れていく。本書は官僚とメディアの凄まじい癒着と腐敗をえぐり出した衝撃的なノンフィクションである!」
メディアと官僚の癒着は、ここまで進んでいる!
耐震偽装事件に見る国交省とメディアの癒着、最高裁・電通・共同通信社が仕組んだ「タウンミーティング」やらせ事件・・・なぜメディアは暴走する官僚組織の支配に屈するのか?独自取材で驚くべき真実が明らかに。
—–
内容(「BOOK」データベースより)
官僚の爆走と、すり寄るメディアの深い闇。

コメント