“外交官が見た「中国人の対日観」” by 道上尚史(文春新書)

外交官が見た「中国人の対日観」 (文春新書)



マスゴミに左右されない中国の姿が書かれている

中国とはよく分からない国だと思っていた。しかし、本書を読んで分からないと言うよりよく知らないというのが本当だと思った。マスゴミ(テレビや新聞など)で報道されるのは、嫌日、反日という極端なニュースばかりで、これらを基準に判断しては間違いのもとだということがよくわかった。
著者は中国大使館の広報文化担当公使として民間レベルの交流に携わった経験をもとに本書を書いている。民間とはいっても、中高生・大学生・メディアや言論関係の知識人など広範囲の中国人に直に接して、感じたことが書かれている。
印象的だったのは、一人っ子政策なども関係するが、子供の教育に熱心(過熱気味)で昔の日本のような詰め込み教育が行われていること、また「中国はデブ、真に強い国とは言えない」とか「日本の良いところは素直に受け止めて学ぼう」という謙虚な発言がよく聞かれるということだ。教育に熱心で外国から何でも学ぼうという姿は、かつての日本の姿に重なる。
我々日本人の中国観は、マスゴミ(テレビや新聞など)の報道によって強く左右されて偏ったものになっているという思いを強くした。

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内容(「BOOK」データベースより)
沈む欧米諸国、日本をよそに経済的大躍進を続ける中国。我々は「中国はいい加減な国だ」とあら探しをして安心してはいないか?中国には自慢もあれば、自制もある。元中国公使が見た、聞いた「新しい中国」の姿。

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