2011年7月アーカイブ

日本の未来について話そう



多くの著者が指摘するのは、日本の強さは結束・我慢・礼節であり、弱さは政官財の馴れ合い・責任逃れ、リーダーシップの欠如である。
また、突然の大きな変化や外的衝撃には強いが、徐々に進行する課題、特に国内に原因がある課題への取組み、解決は苦手だ。

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内容紹介
世界をリードする65人が執筆

2011年3月11日に日本を襲った東日本大震災、津波被害、そして福島第1原発問題。現在、世界中の目が日本に向けられている。日本は復興に向け動き出したが、震災以前から抱える数々の問題は依然日本の将来に影を落としている。国内政治の混乱や巨額の負債、高齢化、硬直化した教育制度と若者の意欲喪失に加え、技術や革新の分野での国際競争力の低下や外交問題など、憂事は尽きない。本書は、世界的な経営コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーが、世界のオピニオンリーダーに日本が直面する問題について、それぞれの視点での提言を求め、それをまとめた1冊である。著者の方々はその優れた洞察力のもと、時折ユーモアも交えながら、日本への愛情に満ちた筆によって日本の過去、現在、そして最も重要な未来を描き出している。グローバル企業のCEO、ピューリッツァー賞受賞作家、ゲームクリエイター、サッカー監督、民間人校長、漫画家、建築家など、幅広い顔ぶれの寄稿者がそれぞれの視点で日本を語るというユニークな企画により編まれた本書は、いまの日本を読み解くための手がかりとなるだろう。
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内容(「BOOK」データベースより)
復興への希望や、目指すべき未来への道筋など、愛情に満ちた筆で描かれた日本再生への提言。


柳井正の希望を持とう (朝日新書)



金儲けのことしか頭にない商売人が書いた本

著者はユニクロブランドを世界的立ち上げたファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長だ。ユニクロと言えば25年以上前九州北部の市街地から離れた国道沿いに店舗があったことを覚えている。ほとんど知られていなかったので立ち寄ったことはなかったが、現在のような企業に発展するとは想像もできなかった。
実は、本書のタイトルを見たとき世界的小売企業のトップとしてもう少しまともなことが書かれているのかと期待して購入したのだが、「はじめに」を読んでもわかるように根っからの商売人(金儲けしか頭にない人間)が書いた本でしかなく残念である。
まず、震災原発事故に関して、程度を超えた自粛、自主規制が行われ、店の明かりが消えることによって景気が悪くなると批判している。しかし、必要以上の照明を減らし電力(エネルギー)の無駄をなくすことは今の日本にとって最重要事項である。日本国民の将来に亘っての安全を脅かす原発の依存度を下げ、脱原発を目指さなければならない。もともと日本の店舗の照明は明るすぎたのだ。また、無用なネオンサインや照明付き看板などが多すぎたのだ。著者の主張は「照明をつけ、客を呼び込み、金を儲けることが大切だ」である。もっと言えば、ユニクロ製品は海外で製造されているので、販売量が増えても国内製造業の雇用が増えるわけでもなく、単にユニクロや著者が儲かるだけなのだ。
次に、国の借金がどれほどあるのかの話では呆れてしまった。国内の金融機関が「国債を購入する」ことによって、日本政府にお金を貸し付けておりその金額が膨大な額にのぼるのが真実だが、著者の言い方は、財務官僚やマスゴミと同じく日本が借金まみれで破綻すると言っているのだ。まさに、消費費税アップの口実に使われているのだが、著者は「日本の法人税は高すぎる、下げるべき」と言っている。消費者に負担を押し付け企業は楽をしようなんてとんでもない輩である。
さらに呆れ果てたのは、菅首相(すでに首相の価値なし)に会いTPP参加を訴えたのだとか。TPPとは何かを知っているのか。関税自主権を放棄するということがいかに危険なことかがわかっているのか。農業だけがダメージを受けるようなことしか書かれていないが、所詮著者はその程度のことしか知らないのだと認識した。
最後に、日本語の文章では「ですます調」と「である調」は混在しないのが常識だが、本書では混在して使用されており、違和感を感じた。

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内容紹介
ユニクロのカリスマ経営者が、元気のない日本のビジネスマンに向けて語る仕事論。人生は自分が主役だという信念を持ち、自分に期待すれば、どんなときでも希望を持つことはできる。自分に期待して、自分が人より少しでも得意な部分を探し、一生懸命に磨くことで必ず活路は開ける。業種、業界を問わず、すべてのビジネスマンに役立つ仕事に取り組む姿勢、ヒントが満載!
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内容(「BOOK」データベースより)
人は希望がなければ生きていけない。希望を持つには、人生は自分が主人公だと信念を持ち、自分に期待することだ。―「どうせ自分なんて」ではなく、「自分はこんなことができるのではないか」と自分に期待し、人より少しでも得意な部分を探す。そして、そこを一生懸命に磨けば、必ず活路は開ける。ユニクロの経営者が全てのビジネスマンに贈る仕事論。

ニッポン再建論 (廣済堂新書)



内容は執筆者により玉石混淆だが、日本のマスメディアの責任を指摘している

本書は各分野の8人の識者による日本の現状に対する考察と提言をまとめたものということだったので、非常に興味を持ち期待して購入した。しかし、元々は2009/6にゴマブックスから発行された「日本一早い平成史」を加筆修正したものらしく、必ずしも最新情報に基づいていないように思われた。

はじめにも書かれているように今の日本は閉塞感に包まれているのは事実だ。政治、経済、景気、雇用環境、どれ一つ明るいモノはない。今の課題は何か、それを解決するにはどう考えたらいいのか、そして「これからのあるべき姿」は何かを専門家に語ってもらうというコンセプトの本だが、各執筆者の視点や書きぶりが異なり、うまくまとめ切れていないように思う。この点では玉石混淆と言える(ほとんど玉だが、残念ながら石もある)。
また、「日本の多くのマスメディアは日本が抱えている本質的な問題に的確に向き合わずに、ただ不安を煽るような情報だけを発信し続けてきた。その罪と責任は大きい。」と指摘しているが、この事実をどれだけの国民が知っているのか、さらにどれだけのメディアがその罪を自覚しているのかを思うと気が沈む思いがする。

以下それぞれについて

・政治(有馬晴海氏。この方の名前の記憶がない、識者といえるのか?)
小選挙区制ではなく、複数候補が当選する中選挙区制が望ましく、これにより新しい人材が政治参加する機会が増えると述べている。指摘内容はその通りだろうが「木を見て森を見ず」の典型である。

・経済(小幡績氏。
バブル崩壊後我慢していれば今までと同じようにまた景気がよくなると考えて何もしてこなかったことが最も問題である。少子高齢化社会になることは分かっていたのに、過去の高度成長期の経済モデルを変えなかった。

・雇用(三浦展)
・教育(和田秀樹)
跋扈する子供可哀そう論
私は和田秀樹という人はやたら教育関係や自己啓発関係の本を出すので、なんとなく教育評論家の中谷彰宏かと思っていたのですが、この本を読む限りではどうもそうではないようです。和田秀樹はこの本で日本の子供の学力の低下は「ゆとり教育」が導入される前から始まっていて、公教育の質の低下や大学のAO入試などがさらに子供の学力の低下に拍車をかけていると言っています。世襲制が教育、学習意欲を殺いでいるという話も面白いですね。東大卒よりも世襲の方が偉く、尊敬を集め、大人はそんな世襲政治家に投票すると、子供は東大を目指さなくなり全体の学力も低下していくというのは大袈裟なようですが現実の話です。安倍晋三元総理や麻生太郎総理がいい例ですね。今回の選挙の注目選挙区の1つ神奈川11区はそのいい例ですね。自民党は世襲で関東学院卒の小泉進次郎と民主党の東大卒の横粂勝仁との争いの結末は如何に。

・女性(坂東眞理子)
具体的に何を言いたいのかが全く分からない。精神論として

・宗教(島田裕己)

・環境(武田邦彦)
偽善エコロジーなどの著書でエコには批判的だが、その根拠にも触れている。過去において実際に起こった「リアルな環境破壊」に対して「創造型環境破壊」という言葉を使っているが「創造型」と言うより「予想型」「想像型」

・報道(森達也)

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内容(「BOOK」データベースより)
日本の多くのマスメディアは日本が抱えている本質的な問題に的確に向き合わずに、ただ不安を煽るような情報だけを発信し続けてきた。その罪と責任は大きい。だからこそ、「今、何が課題で、それを解決させるにはどう考えていけばいいのか」を、冷静に考察していきたい。
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平成になって早20年以上が経過した今、日本は明日への希望を見出せない若者や生活不安をかかえる中高年であふれている。本書は、経済・教育・雇用・宗教・女性・報道・環境・政治の識者がそれぞれの専門的視点から今日の社会状況を分析した一冊。
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【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 政治─迷走する政治に活路を見出すために
第2章 経済─経済の立て直しに秘策はあるのか?
第3章 雇用・暮らし─非正規雇用の増加から考える、今後のあるべき雇用形態
第4章 教育─同情しないエリートと努力を知らない非エリート
第5章 女性─ますます加速する女性の社会進出
第6章 宗教─「宗教バブル」が起こった本当の原因
第7章 環境─創造型環境破壊がはびこる、ウソだらけの「平成」エコロジー
第8章 報道─進化し続けるメディアと僕らが生き延びるためのメディア・リテラシー

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