2010年8月アーカイブ

水木しげるのラバウル戦記 (ちくま文庫)



かなり昔に、水木しげるの戦争体験記を読んだ記憶があるのだが、具体的なことを忘れてしまったので、多分本書だろうと思って購入してみた。
上官によく殴られたが、原住民と仲良くなって割と楽しく過ごしていたと記憶していたが、ほぼ当たっていた。

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内容(「BOOK」データベースより)
太平洋戦争の激戦地ラバウル。水木二等兵は、その戦闘に一兵卒として送り込まれた。彼は上官に殴られ続ける日々を、それでも楽天的な気持ちで過ごしていた。ある日、部隊は敵の奇襲にあい全滅する。彼は、九死に一生をえるが、片腕を失ってしまう。この強烈な体験が鮮明な時期に描いた絵に、後に文章を添えて完成したのが、この戦記である。終戦直後、ラバウルの原住民と交流しながら、その地で描いた貴重なデッサン二十点もあわせて公開する。

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内容(「MARC」データベースより)
ぼくは「第一線」という感じはぜんぜんしなかった。とにかく毎日面白いのだ。もったいないほど幸福な話だ。終戦後描いた絵物語風の戦記など未発表の絵と書下した戦争と南方の人間味溢れるドキュメント。
家日和 (集英社文庫)



家日和というタイトルからは、どういったジャンルの小説なのかはわからないが、6編の夫婦の短編集だ。夫側からの話と妻側からの話があり、それぞれ日常に起こりそうな話題を取り上げてそれなりに、読み手をうまく引き込んでおりおもしろく読んだ。
それにしても、奥田英朗という作家は、いろんなジャンルの読ませる小説を書く。

サニーデイ
家族の世話に追われた主婦がインターネットオークションに出品し、思わぬ高値で売れたり落札者から感謝されたりしてどんどんはまっていく。何か売りたくてしようがない状態になり、夫のギターやレコードプレーヤーを無断で出品するようになる。安物と思っていたギターはレアもので高値で落札されてしまった。レコードプレーヤーもそれなりの価値のあるもののようで、入札金額が跳ね上がっていく。さすがにやばいと思い、実の妹に入札と落札を頼み込むと言うような話だ。

ここが青山
会社が倒産して主夫に生き甲斐を感じていく夫の話。奥さんが元の会社に復帰できて、収入を確保することができたからこその話ではある。
なお、「人間(ジンカン)到る処青山(セイザン)在り」とは「世の中、どこにでも骨を埋める場所はある」という意味だそうだ。

家においでよ
別居して妻の持ち物がなくなったマンションを男の隠れ家に変えていく。オーディオシステムやソファ、ホームシアターなどを価格的に妥協せずに良いものを揃えたいというのは、男の夢だ。

グレープフルーツ・モンスター
内職の担当セールスマンに性的妄想を抱く妻の話。

夫とカーテン
職を転々と変えて一儲けを企てる夫にはらはらさせられるイラストレータの妻の話。今度は新築マンション向けのカーテン屋を始めたのだが、いい加減そうに見えてそれなりにきちんと考えて商売をしていることに感心したりする。

妻と玄米御飯
ロハスを信奉し始めた妻とその知人たちに反感を抱くN木賞受賞作家、ということは奥田さん自身の話かも。

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出版社 / 著者からの内容紹介
会社が倒産して家事に目覚めた夫。ネットオークションに、はまる専業主婦。凸凹夫婦の不思議な人生の波長。いつもどおりの"家"にだって、ドラマティックな出来事はある! 家って、やっぱり面白い。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家などなど。日々の暮らしの中、ちょっとした瞬間に、少しだけ心を揺るがす「明るい隙間」を感じた人たちは...。今そこに、あなたのそばにある、現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く傑作短編集。

【目次】(「BOOK」データベースより)
サニーデイ/ここが青山/家においでよ/グレープフルーツ・モンスター/夫とカーテン/妻と玄米御飯
「権力」に操られる検察 (双葉新書)



現職の大阪高検公安部長が逮捕されたという事件は記憶していたが、具体的にどういう罪を犯したのかは知らなかった。ちょっと前の鳥越俊太郎氏の「ザ・スクープ」で三井環氏が出所後のインタビューに応える番組があり、もっと詳しい話を知りたいと思い購入した。もちろん特捜検察が暴走して冤罪・でっち上げ事件を作り出していることに対する危惧もあった。
三井氏は、当初人事処遇上の不満から調査活動費という名目の裏金作りを匿名告発していたが、「ザ・スクープ」の実名取材に応じる当日の朝、任意同行後逮捕されてしまった。逮捕のタイミングも、その容疑「電磁的公正証書不実記録・同供用罪」も異様と言えるほど怪しい。前述の番組によれば、購入したマンションに転居する1週間前に住民票を移動したことが罪に問われたらしい。裁判では有罪となり実刑判決を受け、満期まで出所できなかった。
このような無理矢理犯罪をでっち上げて、有罪にし、社会的地位を剥奪するような冤罪まがいの行為が、検察によって行われ、それを誰も防ぐことができない。そういう空恐ろしい世の中になっている。
「検察の暴走」とか「けものみち」とか、分かったような分からないような言葉で表現できるような事態ではないと思える。
一般国民としては、このようなでっち上げ事件がどうして作られるのかを知る必要がある。政治家が被疑者の場合は、それによって利を得る政党・政治家からの圧力があるのではないかという視点が必要である。また、同じ時期に発生した誰かにとって都合の悪い事件を隠すために、別のでっち上げ事件を作り、世間の目を誤魔化そうという意図があるかもしれない。
本書では、その他に鈴木宗男事件、日歯連事件、朝鮮総連ビル詐欺事件、小沢一郎事件、郵便不正事件を取り上げて、でっち上げ事件が作り上げられていく実態を説明している。ニュースや新聞を通じて一般国民に伝えられているのは、ほんの一部であり、さらに検察に都合の良いことばかりだということがよく分かる。検察に狙われたが最後、密室の取り調べの中でやってもいないことを自白して、検察が作り上げた事件のストーリー通りに供述調書が作成されてしまう。テレビや新聞は、検察がリークする情報を垂れ流して、世論を煽り悪人に仕立て上げていく。
ただし、郵便不正事件の主任検事による証拠改ざんを契機に、一般国民も検察がおかしいということに気がつき始めた。検察の思い通りにはならないという動きが出てきているのは歓迎すべきことだ。組織としての特捜検察の徹底的な検証が必要である。

最後に、司法制度改革のために次の提案をしている。
・公安調査庁の廃止
  破壊活動防止法の対象となる団体はほとんど活動していないからというのが根拠だ。
  個人的には、特捜検察を廃止すべきという提案が、三井氏からなされるべきと考える。
・調査活動費の廃止
  裏金の源泉は廃止すべきというもの。
・取り調べ可視化法案の成立
  冤罪・でっち上げ事件を防ぐために是非必要だと思う。
・検察が押収した押収品目録、残記録の全面開示
  裁判で証拠品として採用されなかった押収品の中に、被告の無罪に繋がる物証が残っている可能性があるというもの。検察は都合の良いものだけしか証拠として出してこないからだ。
・裁判員制度の改善
・裁判官や検事の公選制(将来的)

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内容紹介
検察の暴走が止まらない。その背後には、検察が「裏金問題」と引き換えに小泉自民党政権に大きな借りを作った事実があった。この裏金を告発した三井環氏 が、日歯連事件、小沢一郎・西松建設事件、村木厚子・郵便不正事件など5つの特捜事件の真相を、「自民党のために動く検察」の視点から解き明かす。
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内容(「BOOK」データベースより)
かつて「最強の捜査機関」と言われた特捜部だが、近年その強引な捜査手法に世間から疑問の目が向けられている。その背後には、時の権力と検察の間で結ばれ た「ある取引」が隠されていた―。鈴木宗男事件、日歯連事件、朝鮮総連ビル詐欺事件、小沢一郎事件、郵便不正事件...五つの特捜事件にみる「暴走検察」 の真実。
卒業 (講談社文庫)



TVドラマ「新参者」の刑事加賀恭一郎が大学4年生のときの事件だ。東野圭吾にとっても初期の作品で、加賀恭一郎にとっても最初の事件ということから期待して読んだのだが、ちょっと期待はずれというところだ。
祥子の自殺は恋人藤堂の冷たい気持ちを感じて衝動的な動機としてあり得るかもしれないが、波香が茶道の作法を使って密かに仕返しをしようとしたところは、波香が取る行動とは思えない。剣道を極めようとする者として、剣道の試合での不正に対しては正々堂々と立ち向かうはずではないのだろうか。陰でこそこそ小細工をして結局、その小細工で自分が殺されてしまうというあり得ないストーリー作りが気になった。また、茶道「雪月花之式」の細かい説明と図説が書かれているのだが、正直なところ全く理解できず読み飛ばしてしまった。
なお、7人の仲間のうち3人が続けて死んでしまうというストーリーの設定は、あまりにも虚しい感じしか残らない。

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内容紹介
7人の大学4年生が秋を迎え、就職、恋愛に忙しい季節。ある日、祥子が自室で死んだ。部屋は密室、自殺か、他殺か? 心やさしき大学生名探偵・加賀恭一郎は、祥子が残した日記を手掛りに死の謎を追求する。しかし、第2の事件はさらに異常なものだった。茶道の作法の中に秘められた殺人ゲームの真相は!?
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内容(「BOOK」データベースより)
大学4年の秋。就職、恋愛に楽しく忙しい仲よし7人組・その中の一人、祥子がアパートの自室で死んだ。部屋は密室。自殺か、他殺か!?残された赤い日記帳を手掛りに、死の謎を追及する友人たち。だが、第二の全く異常な事件が起って...。錯綜する謎に挑戦する、心やさしき大学生・加賀恭一郎。卓抜な着想と緊密な構成で、現代学生のフィーリングを見事に描いた、長篇ミステリーの傑作。

Norton 360に移行

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これまで、avast! Free Antivirus、Spybot - Search & Destroy、Zone Alarmを使っていたが、Norton 360を入手したため、これに移行した。
avast!もSpybotもZone Alarmもフリーウェアでありながら、非常に高い信頼性があり、これまで長い間お世話になった。

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