2011年10月アーカイブ

日本を滅ぼす〈世間の良識〉 (講談社現代新書)



大手メディア(マスゴミ)、官僚、政府、公益企業に対する怒りを代弁

「COURRiER Japon」誌の連載「越境者的ニッポン」を新書化したもの。オーストラリア在住の自称チューサン階級(中学3年生程度の知識の持ち主のこと)の著者が、大手メディア(マスゴミ)、官僚、政府、公益企業(東電など)に対する怒りを代弁してくれる。言葉遣いがやや下品だったり、下ネタがかったりしているが、本質を突いているので全く気にならない。
特に「利潤の私益化・費用の社会化」こそが、なぜ日本がほぼ回復不可能な財政赤字状態に陥ったのかを的確に表している。官僚や公益企業、大企業の経営層など一握りの人間どもが、国民の利益を吸い上げて私物化し、そのために掛った費用は国民のツケに回しているということだ。これは過去においてもそうであるし、現在も続けられていることだ。
「民営化」とはそれまで社会資本だったものが、一部の人たちだけの私有物とされることにほかならない。元々税金で作られたものにも関わらずである。鉄道、電話網、郵便事業などすべてが同じ構図である。
このような不公平(不正と言うべきか)なことが行われないように「権力の監視」をすることが、大手メディア(マスゴミ)などジャーナリズムの使命だが、日本のである「権力の監視」をせず、大手メディア(マスゴミ)は、お上から垂れ流されるリーク情報だけを報道する発表ジャーナリズムに終始する。その原因は野中広務が明らかにしたように、記者たちが政府からは「官房機密費」を受け取り、公益企業(東電など)からは接待漬けになっていることによる。
何がどう報道されたかも重要だが、何が報道されなかったかも重要である。昔は新聞・テレビの報道がすべてだったが、今はネットメディア、海外メディアなどから情報が得られる。大手メディア(マスゴミ)が何を報道しなかったかもすぐ分かる。それは自分たちに都合の悪いことで国民に知らせたくなかったことだと考えて間違いないのである。
著者はこの日本の状況を「おとーちゃんばかりがお饅頭を食べる思想」と表現する。また、フランツ・ファノンの「無知というのは知識がないことではない。疑問を発せられない状態を指す。」を引用して、日本国民が「世間の良識」に縛られて、疑問を発せられない状態に陥っていると言う。
大手メディア(マスゴミ)の報道によって形成される「世論」、自分たちの都合の良い「世論」を形成し自分たちの取り分を増やすことしか考えない官僚、政府、公益企業ども。結局のところ大手メディア(マスゴミ)の無責任さが最も責任が重いということではないのか!


警察の任意とは警察官の任意ではないのか
力士が大麻を吸って全員の尿検査が行われたが、押尾学、のりピー事件では芸能人全員の尿検査は行われなかった

第5章に福島原発事故に関して「承諾しがたき現実であろうとも、それが現実である限り、ひとまず承諾するしかない。」と書かれているが、同じことを小出裕章氏も「原発のウソ」で書いていた。
a little bit pregnantちょっとだけの妊娠だから大丈夫=ただちに健康に影響を与えるものではない=現時点では大丈夫だがいずれそうなる状態のこと
after me the deluge後は野となれ山となれ=すべてのツケは後から国民が払いなさい

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内容紹介
嘘つきメディア、舐めた政府、踊る国民 そろそろ現実を見ないか?
真の愛国とは、こういうことだ!
世界中の賭場を攻める博奕打ちが、迷走を続ける日本のいまを縦横無尽に斬る痛快コラム集。
「世間の良識」が国を滅ぼしかけている事実に、いまこそ刮目せよ!
The Party Is Over.
怪人モリスがこの国の"今"を一刀両断!
どうやら日本国内では、おかしなことに気づかない(あるいは、気づかないふりをしている)ほうが安全なようだ。それゆえ、おかしな部分が見えてきだすと、自動的に制御がかかる。見えているのに、見えないこととする。自衛本能による、メンタル・ブロックなのだろう。知らねば、その事象は存在しないことと同義だ。――<本文より>
無知というのは知識がないことではない。疑問を発せられない状態を指す。――(フランツ・ファノン)
勇気を持って、事実を見る――(チャールズ・ダーウィン)

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目次
第1章 この国は必ず沈没しますけど,なにか?
 利潤の私益化・費用の社会化(1)
 利潤の私益化・費用の社会化(2)
 日本沈没あとバカ理論
 論理が転倒した嫌な時代になりました
 国民が国と心中するしかないのだから

第2章 大手メディアの正体見たり
 自国メディアの不甲斐なさを他国メディアによって知る
 沈黙は「金」,ただしこれは「カネ」と読む
 こうやって国は滅びていくのだろうな

第3章 鳴呼,すばらしき世間の良識(笑)
 のりピー報道ヒステリーについて考えてみた
 再度のりピー・押尾事件について考えてみた
 「新」と「怒」という監事について,勝手に考えてみた
 史上最強となりえた横綱を殺したのは,誰か? 
 国技と文化的伝統を継承するために

第4章 日本はホントに民主国家なのでしょうか?
 神も歴史も畏れぬ不届き者たち
 任意とは,いったい誰の任意なのだろうか?(1)
 任意とは,いったい誰の任意なのだろうか?(2)
  いわゆる「北方領土」について,チューサン階級も考えた
 憂国の情,抑えがたく

第5章 被曝上等,御意見無用
 大本営原発部発表「大丈夫・心配ない・安全・ただちに健康に・・・」
 安全基準値と規制値を大幅に引き上げたので,もう安心です
 放射能みんなで浴びれば怖くない,って言われても,ちょっとねえええ・・・
 まだ誰も,塀の内側でしゃがんでいない
 胡桃の木と日本人は叩けば叩くほど収穫できる,のか?
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内容(「BOOK」データベースより)
嘘つきメディア、舐めた政府、踊る国民、そろそろ現実を見ないか?
The Party Is Over. 怪人モリスがこの国の"今"を一刀両断。

官僚の責任 (PHP新書)



無責任官僚の姿が見えてくる、今こそ官僚制度の膿を出す良い機会だ

著者はいわゆるキャリア官僚だが、福田内閣で国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、渡辺喜美行政改革担当相の下で急進的な公務員制度改革に取り組んだという経歴を持つ。そのため、経済産業省大臣官房付という閑職に置かれ、辞職勧告を受けていたが、ついに退職の道を選んだ。

官僚というと、城山三郎の「官僚たちの夏」に描かれた日本の産業発展のために働いた通産官僚をイメージしてしまうのだが、本書を読むと実際には大違いであることが良くわかる。国益や国民の利益ではなく、省益や私益を優先し所属省庁の権限拡大、予算拡大、天下り拡大などのためにしか働かない人間たちである。
なぜそのような行動を取るようになってしまうのかについて、著者は官僚の評価基準が国民のために働いても評価されない仕組みになっているからだという。もちろんそういう輩ばかりではないだろうが、全体としては国民のためにならない官僚が圧倒的に多いということは間違いないようだ。

今回の東日本大震災、特に原発事故への対応に関して、政府・政治家だけではなく経産省、原子力・安全保安院の官僚への不信・不満を募らせた国民は多いはずだ。政治家は選挙によって国民の審判を受けるが、官僚は滅多なことでは辞めさせられない。担当業務に精通し責任感を持って遂行しているはずだと信じていたのに、東電や原発関連企業と癒着し、自分たちの責任回避ばかりを優先している。大手マスゴミは極力そういう報道を避けているが、無責任な官僚の姿が見えてくる。
東日本大震災、原発事故は、日本国民にとって非常に不幸なことだったが、官僚制度の膿を出す良い機会ではないだろうか。

その他で印象に残ったのは、
・民主党は、要するに官僚を使いこなせなかった。「政治主導」とは「すべてを政治家がやること、官僚を排除すること」ではなく「官僚を"従"たる位置においてうまく使っていくこと」だが、それができなかった。「ウソつきではなく勉強不足」である。変えようという意識は強かったが、「変える」=「自民党や官僚を否定すること」と勘違いしていた。
長妻元厚生労働大臣についても、省内に味方を作れなかったことが敗因だ。大臣と政務三役だけで改革することは不可能である。
・守るべきでない者まで守る政策が行われている。自立能力を失い淘汰されるべき企業が、補助金と呼ばれる政府の支援によって市場にとどまり、結果的にその産業の発展を妨げている。
・大手自動車メーカーの経営手法は日本経済にとってプラスとは思えない。儲かっているのはそのメーカーだけで下請けメーカーは儲かっていない。
・精密ネジの製造機械の中小企業の例を挙げて「世界一の製品は世界一高くても売れる」という考えを持つべきだ。良いものを安く提供するのが我々の使命という文化が染みついている。
などである。

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内容紹介
辞職を迫られた改革派官僚"覚悟の証言"
「霞が関は人材の墓場」――著者はそう切り捨てる。最高学府の卒業生、志を抱いて入省したはずの優秀な人間たちが集う日本最高の頭脳集団。しかし彼らの行動規範は、「国のため」ではなく「省のため」。利権拡大と身分保障にうつつを抜かし、天下りもサボタージュも恥と思わない......。いったいなぜ官僚たちは堕落の道をたどるのか?逼迫する日本の財政状況。政策提言能力を失った彼らを放置すると、この国は終わる。政官界から恐れられ、ついに辞職を迫られた経産省の改革派官僚が、閉ざされた伏魔殿の生態を暴く。
【内容例】「震災復興は利権のチャンス」――悲しいかな、それが官僚の性である/「5.7メートルで安全」と決めたのは経産省/天下りは国民に気づかれないようにこっそりやっている/なぜ政治家は官僚に取り込まれるのか/坪単価5,000万円、充実しすぎの身分保障/「不夜城」の真実 etc.

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