実りの多い豊かな「下山」とは何かを考えるきっかけとなる

著者は2008年に「林住期」という本を書いているが、本書でも今の日本は、この古代インドの人生を「学生期(がくしょうき)」「家住期(かじゅうき)」「林住期(りんじゅうき)」「遊行期(ゆぎょうき)」に分ける思想の中の「林住期」にあたると言っている。人生ではなく山登りを例に取れば、前半が「登山」であり後半が「下山」ということになる。国や世界も同様で、成長期としての登山があれば必ず成熟期以降としての下山がある。登山をすれば必ず下山しなければならないのに、これまで下山が深く考慮されたことはない。登山以上に重要なものにもかかわらずだ。
日本は戦後著しい経済成長を遂げて世界第二の経済大国になった。これは成長期、すなわち「登山」であるが、すでに経済成長のピークは過ぎ成熟期すなわち「下山」のプロセスに入っているのである。「下る」という言葉にはネガティブなイメージがつきまとうが、下山はそういうことではなく、実りの多い豊かな下山を続けるということである。そして更なる再出発のための準備を整える時期である。日本にとって実りの多い豊かな「下山」とは何か、新たな目標とすべき国はどのようなものかをを考えるきっかけとなる。
また、日本は東日本大震災と原発事故に見舞われたが、下山の途中に雪崩に遭ったようなものだ。これからも立ち上がらなければならないが、目指すものはかっての経済大国ではないはずだ。このようにかつての経済成長を目指すべきではないとい主張は他書(「成熟ニッポン、もう経済成長はいらない」など)にも多く見られ賛同できるものだ。
「おわりに」には、必ずしも暗い気持ちで下山の時代を見ているわけではなく、むしろ必死で登山をしているときよりも、はるかに軽い気持ちで下山について語っているつもりだ。伸びやかに明るく下山していくというのがいつわらざる気持ちだと書かれている。
ただし、最終章「ノスタルジーのすすめ」はページを埋めるために無理矢理追加されたような内容で違和感がある。






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内容紹介
世間、流行、テレビ、職場......もう、ふりまわされたくない!
「前向きなのはとにかくいいことだ」――ポジティブ・シンキングの絶対化は、いつしか「前向きでなければいけない」という強迫観念となった。すべてにおいて「頑張らなければいけない」私たち。明るく人づきあいができなければ人格的に否定され、ツイッターや朝活、婚活ブームに乗らなければ無能と見なされる。周囲の同調圧力に耐えかねて「うつ」になったり、やる気を失くしてしまう人が増えるのも当たり前。心が悲鳴をあげている。
自分をだますのはもうよそう。世間や職場にふりまわされず、平凡な日常に幸せを感じるコツ。
目標は小さくアバウトでいい/責任感は強ければいいわけでもない/「テキトー」って、そんなに悪いことですか?/ギスギスした職場で「心を通わせる」必要はない/健康志向もいきすぎれば体に悪い/あえて情報ツールを駆使しない/焦って「絆」をつくるのはやめましょう...
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内容(「BOOK」データベースより)
「前向きなのはとにかくいいことだ」―ポジティブ・シンキングの絶対化は、いつしか「前向きでなければいけない」という強迫観念となった。すべてにおいて「頑張らなければいけない」私たち。明るく人づきあいができなければ人格的に否定され、ツイッターや朝活、婚活ブームに乗らなければ無能と見なされる。周囲の同調圧力に耐えかねて「うつ」になったり、やる気を失くしてしまう人が増えるのも当たり前。心が悲鳴をあげている。自分をだますのはもうよそう。世間や職場にふりまわされず、平凡な日常に幸せを感じるコツ。







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内容説明
経産省の現役幹部が実名で告発!!
「日本の裏支配者が誰か教えよう」
福島原発メルトダウンは必然だった......
政府閉鎖すら起こる2013年の悪夢とは!? 家族の生命を守るため、全日本人必読の書
経済産業省大臣官房付 古賀茂明。
民主党政権と霞ヶ関がもっとも恐れる大物官僚が、ついに全てを語る!
日本中枢が崩壊してゆく現状を、全て白日の下に!
・巻末に経産省が握りつぶした「東電処理策」を掲載
発電会社と送電会社を分離する発送電分離。このテーマについて本気で推進しようとした官僚が何人かいた。あるいは核燃料サイクルに反対しようとした若手官僚もいた。しかし、ことごとく厚い壁に跳ね返され、多くは経産省を去った。私も十数年前、発送電分離をパリのOECDで唱えたことがあるが、危うく日本に召喚されてクビになるところだった。その理由とは何だったのか――。(「序章」より)
改革が遅れ、経済成長を促す施策や産業政策が滞れば、税収の不足から、政府を動かす資金すらなくなる。そう、「政府閉鎖」すら起こりかねないのだ。いや、そうした危機感を煽って大増税が実施され、日本経済は奈落の底へと落ちていくだろう。タイムリミットは、ねじれ国会を解消するための参議院議員選挙がある二〇一三年、私はそう踏んでいる。(「まえがき」より)
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内容(「BOOK」データベースより)
福島原発メルトダウンは必然だった...政府閉鎖すら起こる2013年の悪夢とは!?家族の生命を守るため、全日本人必読の書。「日本の裏支配者が誰か教えよう」。経産省の現役幹部が実名で証言。

インシデント



予想外の結末、しかしイマイチ感が残る

「アンフェア」シリーズ原作者による書下ろしの医療ミステリー。「インシデント」とは医療事故のことだ。
書評とはいえ、ミステリーの種明かしを書くわけにはいかないが、予想外の結末だった。医療事故ではなかったということ。女子高生のさやかも同級生の悠も死んでしまったということ。
また、期待しすぎたのかもしれないが、ちょっとイマイチ感が残った。あまり深く考えずに、ミステリー小説として楽しんだ方が良いのだろうか。

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内容説明
「アンフェア」著者が贈る医療ミステリー 脳外科医の桧山冬実は、世界初となる脳幹部海綿状血管腫の手術に挑むが......。「アンフェア」シリーズ著者が贈る緊迫の医療ミステリー。

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内容(「BOOK」データベースより)
女子高生のさやかは、脳機能iPS細胞再生術を用いた世界初の脳外科手術を受ける。執刀医は、日本随一のオペ技術を持つ天才女医・檜山冬実。しかし、誰もが手術の成功を確信する中、悲劇は起きた。それは医療事故だったのか、それとも罠なのか。現代医療の矛盾に迫る緊迫の医療ミステリー。文庫書下ろし。

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