2009年4月アーカイブ

検索バカ (朝日新書)

検索バカ  

藤原氏は「暴走老人」の著者としても知られるらしいが、これは読んだことがない。
最近の本のタイトルには逆説的、否定的なものが多いがこれもそうだ。「バカ」という言葉をタイトルに入れることによって何を狙っているのだろうかと考えてしまった。意外性とか疑問を抱かせるなどだろうか。私も店頭でタイトルをみて「何これ?」と手に取りパラパラと中身をみて買ってしまったので「つかみ」は良いということになるのかもしれない。

要点は「はじめに」に書かれている。検索だけではダメ、それを自分の成果と勘違いしてはいけない、情報ではなく思考、検索ではなく思索が大事だ。また、現在の日本には「空気を読め」という同調圧力の風潮が強く、これは何事も目立たないように他人の顔色ばかりうかがうこと、つまり思考停止を引き起こすことになる。
自分で考えること、言葉と対話を取り戻そうと呼びかける内容となっている。
一例として書かれている「この本には結論がないというレビューが増えている」には同じ感想を持ったことがある。Amazonのレビューで、個人的にはなかなか良いことが書かれたと思う本の評価が思ったほど高くないことがある。悪い評価の理由を見ると「問題点を指摘するだけで解決策が示されていない」とか「だから何が言いたいのか?」といったものが多いのだ。

同じようにPC検索や閲覧の問題を指摘している本に「フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる(築山節)」があったのを思い出した。PCに依存しすぎると脳が怠けるようになってフリーズしてしまうよという警鐘的な内容だったと記憶している。脳も生活習慣病になるということだ。築山氏は脳神経外科の医者だったと思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1章 検索バカは、何を失くしたか
2章 クウキに支配される日常
3章 「やさしさ」と「暴走」の時代
4章 不安定な「場」としての家庭、教室
5章 「予定調和」はいつ誕生したか
6章 同調圧力が独自の「思考」と「行動」を奪う
7章 世間から露骨へ
8章 失われゆく「対話」と「議論」
9章 身体性なき言葉は、貧弱になる
10章 沈黙の力/終章 生きることは考えること

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
思考が検索に、言葉が情報に劣化していく今、私たちは「考える力」を再生できるか。さらに「空気を読め」という同調圧力が、自立した思考を奪っている。一個人として、世の中を生き抜く思索力とは。

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格  

品格本ブームの口火を切った本で、2005年11月に発売されたものだが、なかなか読む機会がなくやっと先日読んだ。
帝国主義、共産主義、資本主義、民主主義などの「論理」を徹底していくと破綻する、その理由は、?論理には限界がある、?最も重要なことは論理で説明できない、?論理には出発点が必要、?論理は長くはなり得ない、とのことだ。数学者らしく例を挙げて説明している(詳細は省略)。
そこで、世界に類のない独自の発展をしてきた日本は、武士道精神と「情緒と形」をもって、品格ある国家を保ち世界を救うべきだと言う。
「近代的合理精神の破綻」には同意できる。戦後追いつき追い越せと頑張った結果が今の日本で、物質的には豊かになったが、精神的な面でギスギスした社会になっていることは否定できない事実である。多くの会社には頑張った者が報われるという成果主義・実力主義が導入され、その結果チームワークや後輩を育成することが疎かになってしまっている。
「卑怯を憎め」ということにも同意できる。「小学生に英語授業なんて必要ない」も然り。
日本人が今の世界の中で何をすべきか、どういう考え方を持って行動すべきかを述べているのだが、読んでいて唐突な感じのする論理の飛躍や物事の断定をやや感じる。
「情緒」というのは分かるのだが、「形」とは何を指しているのか最後まで理解できなかった。


目次(「BOOK」データベースより)
第1章 近代的合理精神の限界
第2章 「論理」だけでは世界が破綻する
第3章 自由、平等、民主主義を疑う
第4章 「情緒」と「形」の国、日本
第5章 「武士道精神」の復活を
第6章 なぜ「情緒と形」が大事なのか
第7章 国家の品格


内容(「BOOK」データベースより)
日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。すべての日本人に誇りと自信を与える画期的提言。

HanDBase

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HanDBaseというデータベースソフトがある。Palmデバイス用を以前使ったことがある。当時は日本語が使えなかったが、仕方がないと思っていた。WindowsMobile用もあり同様に日本語は使えなかった。
それがVer4になり、日本語が使えるようになったという情報があったのでトライアル版をインストールしてみた。
結論からいうと、日本語を含むデータをインポートしてもWindowsMobile上では日本語は表示されない。文字化けやフォントが豆腐になるようなことはないが日本語部分は何も表示されない。なお、そのDBデータをcsvファイルにエキスポートしてエディタで開くと日本語のデータは残っているのでWindowsMobile上で表示ができなくなっているだけと思われる。また、そのDBデータは母艦側のHanDBaseDedktopでは問題なく日本語は表示される。
WindowsMobile上で日本語が表示できるようになれば継続的に使うことも考えられるのだが、今の仕様では難しい。

DDH Software
http://www.ddhsoftware.com/


ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか? (新潮文庫)

ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?  

著者がオーストラリアのブリスベンに家族5人で移住し、自身の経験をもとに執筆した内容が中心である。
まとめれば、日本人が思っているほど日本や日本人が嫌われているわけではないということだ。
最初の話題は「外国では安易に謝ってはいけない」は本当かというものだが、オーストラリアやイギリス、アイルランドでは「ソーリー」とよく言うそうだ。また、オーストラリアの子供の躾の基本は、「サンキュー」「プリーズ」「エクスキューズ・ミー」なのだとか。イギリス文化圏は日本と似ているのかもしれない。
次は「自己主張しないのは日本人の欠点か」についてだが、外国人が皆自己主張ばかりするとは限らない、TVなどでみる外国人(政治家、タレント等)は、自己主張することが仕事だからであって、普通の人はそうでもないという。「意見はたまに言うから重みが出る」「意見を聞いて調整する能力があること」と考えればいい。これも個人の立場や性格によるところが多いと思われるので納得できる話だ。
クールジャパンとは、日本のアニメやコミックなどが海外で受け入れられていることだけかと思ったら、ハイブリッドカー、ウォシュレット、しゃべるトラック「バックします」なども評価が高いそうだ。もちろん、ヘルシー食としての日本食も十分全世界に知れ渡っているようだ。
日本のマスコミで報道される「反日」「嫌日」に過敏になるな、普通の人が見なそう思っているわけではない、日本人は自信を持てよという。
最後に著者は、最もグローバル・スタンダードからかけ離れた国はアメリカだと。自国のやり方を押しつけるために「グローバル・スタンダード」と言っているだけだと書いている。格差の増大、派遣労働者の増加、企業における終身雇用の崩壊、成果主義導入、会社は株主のものという考え方の蔓延などいずれもグローバル化という名の下に行われたアメリカ化だということだ。


【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 日本人は「異質」なのか/
第2章 「流行語」を鵜呑みにするな/
第3章 「日本人の欠点」は「日本人の特技」だ/
第4章 ウォシュレットから丼まで。日本の評価・最新版/
第5章 日本語からキャラまで。日本がオシャレ/
第6章 一番の「嫌日国」は日本かもしれない

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ニッポンの評判―世界17カ国最新レポート (新潮新書)

ニッポンの評判  

日本人は他人からどう思われているのかを気にする民族だと言われている。このような本が出版され、ついつい買ってしまう自分を考えると苦笑してしまう。
収録されているのは、日本のメディアがことさらに伝えている嫌日・反日とはまったく違った内容で、実際に海外に住んでその国の人達と触れあっている日本人による現地レポートだ。
まず、ほとんどが日本に対して好意的ということに驚いた。アニメやスシなど日本ブームともいう現象があることは知っていたが、普通の人達が好意を持っていてくれることに安心した。
最も印象的だったのは、イラク戦争の時に取り残された日本人を救援に向かったのはトルコ航空機だったのだが、それに関しトルコ政府は「オスマントルコの軍艦エルトゥールル号が和歌山県沖で遭難したときに救護を受けた礼をしたに過ぎない」と言ったということだ。
フランス人が「あふれんばかりに日本人に好意的」というのはちょっと意外だった。ニース大学には忍術部まであるという。西洋文明とは全く異なる文明を持つ反面、民主主義国家で先進国であることが理由だと著者は言っている。オーストラリアの知日派ツナミ世代、ブラジルのマツリダンス、日本人は自分たちにそっくりというオランダ人、など読んでいて元気が出てくる本だった。

目次(「BOOK」データベースより)
第1章 「クール・ジャパン」へのまなざし
・第一線に就く知日派「ツナミ」世代―オーストラリア
・日本人よりも「日本通」な人々―ロサンゼルス
・古都の街並みに吹き込む新しい風―イタリア
・サンバと盆踊りの幸福なフュージョン―ブラジル
・ドラマもお寿司もルック・イースト―マレーシア
・「HENTAI」ポルノは世界標準―日本初AVソフト
第2章 「親日感」のさまざまな形
・世界で一番の片思い―トルコ
・「日本人のふりをする中国人」が出没!―トンガ
・「日本式経営」から調和と寛容を学ぶ―シンガポール
・皇室への親近感が架け橋に―オランダ
・家電製品が作り上げた好イメージ―ドバイ
・大公開!「日本人取扱い説明書」―ニュージーランド
第3章 誤解と幻想を超えて
・ノキア社員が目撃した「傲慢な日本人」―フィンランド
・日本とイランを行きつ戻りつ―イラン
・マンガは大好き!でも日本は知らない―ドイツ
・陽気なイタリア人への正しい答え方―イタリア
・それでも音楽の都を目指す日本人残酷物語―ウィーン
・日本語と英国人の距離を見つめて―イギリス
終章 もうひとつの「美しき文明」
・日本に抱く夢 ―フランス

内容(「BOOK」データベースより)
「日本人男性はキュート」(オーストラリア)、「中国人は大嫌い、でも日本人は大好き」(トンガ)、「アイロンもビジネスマンも、日本製は信用できる」(ドバイ)―。日本人がまじめに働いてきた年月は、世界で確実に評価されていた。「クール・ジャパン」への熱いまなざし、意外なほど根強い「親日」の精神。「日本が世界でどう思われているか知ってほしい」という願いを持った、各国在住の書き手による最新レポート。

アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々 (岩波新書)

  

普通の生活の中でアフリカに関わることは滅多にない。マラソンなどのスポーツ選手をTVでみることはあるが、一般の人々の生活やまして政治がどうなっているかなどほとんど情報がない。
紛争や飢餓問題があることは知っていたがこれほどまでひどいとは知らなかった。
順調な国づくりが進んでいるのはボツワナくらい、政府が未熟なため国づくりの進度が遅いのは10カ国程度、残りは政府幹部や指導者が利権を追い求めるだけか、もともと国づくりなど考えていない状態だという。
いわゆる独裁政権が多く自身の不正を隠すために部族間紛争を引き起こしたり、国連などからの指摘に対してはレシズム(人種差別)だといって切り返し、私腹を肥やすことだけを考えている。
植民地時代に線引きされた国境は元々の部族のことなど考えていないから多数民族と少数民族の問題が起こる。
一方で、政府に頼らず自立しようとする人々のことも紹介してある。その中にはケニアナッツ社社長、ウガンダのシャツメーカー社長などの日本人もいるそうだ。ウガンダでシャツといえば「ヤマト」なのだとか。クロコダイルで有名なヤマト・インターナショナルのことだ。
ただ単に、カネやモノを与えて支援してもその場限りで、カネやモノがなくなれば元に戻ってしまう。「やる気」を起こすしくみ作りが必要であることが力説してある。


【目次】(「BOOK」データベースより)

序章 アフリカの今―ルムンバの夢はどこへ行ったか/
第1章 国を壊したのは誰か―ジンバブエで/
第2章 危機に瀕する「安全」と「安心」―南アフリカ共和国で/
第3章 アフリカの中国人―南アで、アンゴラで、スーダンで/
第4章 国から逃げ出す人々―パリで、歌舞伎町で/
第5章 「人々の自立」をめざして ―農村で、都市スラムで/
第6章 政府ではなく、人々に目を向ける―ケニアで、ウガンダで、セネガルで

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
豊かなジンバブエの農業を一〇年で壊滅させ、アパルトへイトを克服した南ア共和国を犯罪の多発に悩む国にしたのは誰か。中国の進出、逆に国を脱出するアフリカ人の増加などの新しい動きを追い、同時に、腐敗した権力には頼らず自立の道を求めて健闘する人々の姿も伝える。三〇年近いアフリカ取材経験に基づく、人間をみつめた報告。


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