"日本を貶めた10人の売国政治家" by 小林よしのり(幻冬舎新書)

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日本を貶めた10人の売国政治家 (幻冬舎新書)

 

民主党が衆院選で自民党を破り政権交代を果たした、まさにこのような時期に敢えて冷静に読みたい。政治とは政治家とはどうあるべきか、近年の日本の政治や政治家はどうだったのかを考えるきっかけになると思う。
この本は発売当初店頭で見かけておもしろそうだと思ったものの、編者の「ゴーマニズム宣言」や「わしズム」などに引っかかりを感じ、購入を躊躇していたものだ。いつのまにかベストセラーになっていたのには驚いたが、遅ればせながら読んでみた。
内容は、20人の識者からのアンケートを元にランキングをつけ、ワースト10人についてそれぞれ一人の識者が解説をするというものだ。識者とはいっても名前も知らない方が多かったので調べてみたところ、保守というよりはかなり右傾した方々が多いようである。冒頭座談会の中の宮内省格上げ、宮内大臣の名誉職化の話にはついていけないものを感じた。公正な立場からの意見ではなく批判する立場からの意見なので、若干割り引いて理解する必要があるようだ。
しかしながら、タイトルには「売国」、裏表紙には「凶器の書」など過激な言葉を並べて「売らんかな」精神が押し出されているのは奇異である。また、この本のほとんどは編者の文章ではないので、目障りな「わし」という一人称を目にすることは少ない。

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内容(「BOOK」データベースより)
本当は誰もが政治家に期待している。いまこそ国会議員には働いてもらわねばならない。だが彼らの多くは「国家の名誉と安全を守ってほしい」という国民の最低限の願いすら打ち破く。それならば「売国奴」「国賊」という激烈な言葉で政治家を襲撃しようではないか―。学者・言論人へのアンケート集計で、最悪の「売国政治家」10人を選び出し、彼らが誰に国を売ったか、どんな罪を犯したか、なぜ彼らを許してはならないかを徹底検証した凶器の書。

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目次(「BOOK」データベースより)と執筆者
序論 売国政治家とは何か?(小林よしのり)
第1部 座談会 売国政治家と呼ばれる恥を知れ(長谷川三千子/高森明勅/富岡幸一郎/勝谷誠彦/小林よしのり)
第2部 10人の売国政治家を検証する!
 河野洋平―単なる談話で日本を「性犯罪国家」に貶めた(八木秀次)
 村山富市―万死に値する「国民見殺し」「自国冒涜」の罪(高森明勅)
 小泉純一郎―「改革」で日本の富と生命を米国に差し出した(関岡英之)
 小沢一郎―「ねじれ現象」を生んだ無節操な国賊(西尾幹二)
 中曽根康弘―靖国問題をこじらせた元凶(大原康夫)
 野中広務―自虐外交の嚆矢となった「不戦決議」(潮匡夫)
 竹中平蔵―日本国を構造破壊し共和制に導く経済マフィア(木村三浩)
 福田康夫―無為、無内容、無感情(潮匡夫)
 森喜朗―保守を絶滅に追い込んだ背後霊(勝谷誠彦)
 加藤紘一―戦後レジームの滑稽なゾンビ(西村幸祐)
第3部 私が断罪する売国政治家―アンケート公開

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このページは、yafoが2009年9月21日 09:07に書いたブログ記事です。

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