"資本主義崩壊の首謀者たち" by 広瀬隆(集英社新書)

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資本主義崩壊の首謀者たち (集英社新書 489A)

資本主義崩壊の首謀者たち  

新聞やTVなどで語られることのない金融崩壊(筆者は"金融腐敗"と言っている)に至るまでの真実が語られている。
アメリカから毎年「年次改革要望書」が日本に提出されていて、規制緩和の名の下にアメリカの良いように日本が変わっていっていることは知っていたが、その中味さえもユダヤ系「金融マフィア」によって仕組まれていたこと、その"首謀者たち"たちがアメリカ政府の主要ポストについて政治を操っていたことなどが新たに分かった。
郵政民営化の裏に、日本人の貯蓄資産を狙う意図があったとは・・郵政民営化に反対した自民党議員はこのことに反対したかったのか、もしそうだとすればなぜもっと声高にそのことを発言し国民に訴えて反対しなかったのか。
ニューヨークタイムズの風刺漫画が引用されて紹介されているが、なぜ日本の新聞やTVなどのマスメディアは、これらのことを報道し追求しないのか。
ホリエモンのときに、その資金源はリーマン・ブラザースだという報道は聞いた記憶はあるが、そもそもリーマン・ブラザースがどのような会社なのか、資金提供の意図は何なのか、そういう突っ込んだ報道は聞いた記憶がない。

この広瀬氏の書いた内容が全て真実だという保証はないが、限りなく真実に近いのだろうと思われる。だからといって我々のような一般国民に何が出来るのかは分からないが、知らないままにアメリカの属国になってしまうことを何とか回避したいものだと感じる。

今関わっている仕事で、「WTO/TBT協定」というものがあり、貿易障壁をなくすためにJIS規格を国際規格に整合させなければならないと聞いたが、このWTO(世界貿易機関)にも"首謀者たち"がかかわっていたという事実には愕然とした。
規制緩和、民営化、グローバル化が「善」だという意識がいつの間にか浸透してしまっているが、これを疑ってかかる必要があるということを強く感じた。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
 一九八九年にベルリンの壁が崩壊して、ソ連の共産主義は崩れ去った。そして二十年が経ち、今度はアメリカの資本主義が大崩壊を始めた。AIG、シティグ ループなどの実質的な国有化からもそのことは明らかであり、国家による一連の救済策は資本主義のルールではなく、社会主義、共産主義のルールに則ってい る。本書は、この重大な歴史認識を持つことから説き起こして、グローバリズム?金融腐敗という未曾有の大混乱を誰が招いたのか、ことの真相を明らかにし、 さらに国民の資産を守るために、日本がとるべき新しい進路を指し示す。

【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 自作自演の仮面舞踏会に酔った金融大国
      リーマン・ブラザーズ倒産─ことの本質
      過去の歴史から何を学ぶか─世界大恐慌
      原油価格と穀物価格はなぜ高騰したか ほか
第2章 誰がこのような世界を創り出したか
      最大の責任者は財務長官ロバート・ルービンとローレンス・サマーズ
      シティグループの誕生と現在のアメリカ銀行界
      ウォール街から証券会社は消えたのか ほか
第3章 日本がとるべき新しい進路
      リーマン・ブラザーズたちが日本に残した足跡
      日本はアメリカの奴隷国家か
      日本政府が買いこむ外貨は何に使われるのか ほか

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このページは、yafoが2009年5月20日 21:02に書いたブログ記事です。

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