"家日和" by 奥田英朗(集英社文庫)

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家日和 (集英社文庫)



家日和というタイトルからは、どういったジャンルの小説なのかはわからないが、6編の夫婦の短編集だ。夫側からの話と妻側からの話があり、それぞれ日常に起こりそうな話題を取り上げてそれなりに、読み手をうまく引き込んでおりおもしろく読んだ。
それにしても、奥田英朗という作家は、いろんなジャンルの読ませる小説を書く。

サニーデイ
家族の世話に追われた主婦がインターネットオークションに出品し、思わぬ高値で売れたり落札者から感謝されたりしてどんどんはまっていく。何か売りたくてしようがない状態になり、夫のギターやレコードプレーヤーを無断で出品するようになる。安物と思っていたギターはレアもので高値で落札されてしまった。レコードプレーヤーもそれなりの価値のあるもののようで、入札金額が跳ね上がっていく。さすがにやばいと思い、実の妹に入札と落札を頼み込むと言うような話だ。

ここが青山
会社が倒産して主夫に生き甲斐を感じていく夫の話。奥さんが元の会社に復帰できて、収入を確保することができたからこその話ではある。
なお、「人間(ジンカン)到る処青山(セイザン)在り」とは「世の中、どこにでも骨を埋める場所はある」という意味だそうだ。

家においでよ
別居して妻の持ち物がなくなったマンションを男の隠れ家に変えていく。オーディオシステムやソファ、ホームシアターなどを価格的に妥協せずに良いものを揃えたいというのは、男の夢だ。

グレープフルーツ・モンスター
内職の担当セールスマンに性的妄想を抱く妻の話。

夫とカーテン
職を転々と変えて一儲けを企てる夫にはらはらさせられるイラストレータの妻の話。今度は新築マンション向けのカーテン屋を始めたのだが、いい加減そうに見えてそれなりにきちんと考えて商売をしていることに感心したりする。

妻と玄米御飯
ロハスを信奉し始めた妻とその知人たちに反感を抱くN木賞受賞作家、ということは奥田さん自身の話かも。

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出版社 / 著者からの内容紹介
会社が倒産して家事に目覚めた夫。ネットオークションに、はまる専業主婦。凸凹夫婦の不思議な人生の波長。いつもどおりの"家"にだって、ドラマティックな出来事はある! 家って、やっぱり面白い。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家などなど。日々の暮らしの中、ちょっとした瞬間に、少しだけ心を揺るがす「明るい隙間」を感じた人たちは...。今そこに、あなたのそばにある、現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く傑作短編集。

【目次】(「BOOK」データベースより)
サニーデイ/ここが青山/家においでよ/グレープフルーツ・モンスター/夫とカーテン/妻と玄米御飯

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このページは、yafoが2010年8月25日 21:29に書いたブログ記事です。

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