"ルポ 貧困大国アメリカ II " by 堤未果(岩波新書)

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ルポ 貧困大国アメリカ II (岩波新書)


前作「ルポ 貧困大国アメリカ」以降に、オバマ大統領が就任したが、アメリカの状況が好転したということはなさそうだ。
本書では、学資ローン、年金、医療、刑務所ビジネスについて取り上げている。共通するのは、弱者を徹底的に借金まみれにしていく「なにものか」の存在だ。あとがきに医療破産した女性の「一番怖いものはテロリストでも大不況でもなく、いつの間にかいろいろなことに疑問を持つのをやめ、気づいたときには声すら自由に出せない社会が作られていくこと」という発言があるが、国民が「ゆでがえる」状態にされてしまうことが一番恐ろしいと感じた。戦争の継続を望む軍産複合体、学資ローンビジネス、医産複合体、刑産複合体など政府と手を結ぶことで利権を拡大させる利益団体が「なにものか」の正体だろう。
世界を飲み込もうとしているのは「キャピタリズム(資本主義)」よりむしろ「コーポラティズム(政府と企業の癒着主義)」の方だろう。それを後押しするメディアに対して我々は何ができるのか。その答えは「オバマを動かせ(Move Obama)」のスローガンに表される「リーダーを動かすために自分たちも変わろう」という国民の意思と行動である。おかしいことにはおかしいと声をあげるという当たり前のことを草の根から始めて続けていこうということだ。

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内容(「BOOK」データベースより)
経済危機後のアメリカでは、社会の貧困化が加速している。職がみつからず、学資ローンに追い立てられる若者たち。老後の生活設計が崩れた高齢者たち。教育や年金、医療、そして刑務所までもが商品化され、巨大マーケットに飲みこまれている。オバマ登場で状況は変わったのか。人々の肉声を通して、アメリカの今を活写するルポの第二弾。

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このページは、yafoが2010年11月14日 12:06に書いたブログ記事です。

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