テレビの大罪 (新潮新書)

お笑い芸人であふれるテレビ番組、どの局も同じことしか言わないニュース番組、正義の代弁者面するキャスター・コメンテイター。いい加減うんざりだという気持ちを医師、教育関係者としての立場から述べて、テレビ(テレビ業界、テレビ局、テレビ局員、業界関係者、テレビ番組などを幅広く含むもの)を断罪している。我々一般人が感じる以上にテレビの問題やテレビの視聴者に与える悪影響を鋭く指摘しており、常々、最近のテレビの下品さ、画一さなどをそれとなく感じていたのだが、あまり議論に挙がることのない医療、自殺、高齢者への悪影響なども認識することができた。
確かにテレビに出ることが偉いという価値観があるのは間違いないと思う。芸能人やタレントは、テレビに出ることにより有名になり仕事が増えるということはあるが、大学教授、研究者、政治家なども同じ価値観を持ってテレビに出演し、コメンテイターになり、いわゆる「人気者」になることを良しとしている風潮がある。「人気者」を偉いとする背景に、ゆとり教育があるそうだ。勉強ができる者やスポーツが得意な者より、仲間が多い人気者の方が偉いということになるらしい。
テレビに出る人は一流で偉くて信頼できるという既成概念ができあがっていることが怖いと思う。
テレビは、政治についても事件についても、画一的なことしか伝えない。
政治については、官僚側からのリーク情報を記者クラブで受け取り、全く同じ内容をテレビや新聞が報道する。一般国民は、それが信頼できると思っているから、世論を誘導することができる。
事件については、被害者が神様という立場で、徹底的に加害者を糾弾する。医療過誤であれば医師や病院は犯罪者として扱われる。
また、どの局もどの時間帯もお笑い芸人ばかりが出演し、「箸が転んだらおかしい」的な実に低レベルの笑いをまき散らしている。年配者や高齢者も笑えるようなレベルの高いお笑い番組を提供して欲しい。
参考情報:和田秀樹オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/wadahideki/entry-10614821826.html
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
あなたはテレビに殺される。運よく命まで奪われなくとも、見れば見るほど心身の健康と知性が損なわれること間違いなし。「『命を大切に』報道が医療を潰す」「元ヤンキーに教育を語らせる愚」「自殺報道が自殺をつくる」―。精神科医として、教育関係者として、父親としての視点から、テレビが与える甚大な損害について縦横に考察。蔓延する「テレビ的思考」を精神分析してみれば、すべての元凶が見えてきた。
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【目次】(「BOOK」データベースより)
1 「ウエスト58cm幻想」の大罪/2 「正義」とは被害者と一緒に騒ぐことではない/3 「命を大切に」報道が医療を潰す/4 元ヤンキーに教育を語らせる愚/5 画面の中に「地方」は存在しない/6 自殺報道が自殺をつくる/7 高齢者は日本に存在しないという姿勢/8 テレビを精神分析する

お笑い芸人であふれるテレビ番組、どの局も同じことしか言わないニュース番組、正義の代弁者面するキャスター・コメンテイター。いい加減うんざりだという気持ちを医師、教育関係者としての立場から述べて、テレビ(テレビ業界、テレビ局、テレビ局員、業界関係者、テレビ番組などを幅広く含むもの)を断罪している。我々一般人が感じる以上にテレビの問題やテレビの視聴者に与える悪影響を鋭く指摘しており、常々、最近のテレビの下品さ、画一さなどをそれとなく感じていたのだが、あまり議論に挙がることのない医療、自殺、高齢者への悪影響なども認識することができた。
確かにテレビに出ることが偉いという価値観があるのは間違いないと思う。芸能人やタレントは、テレビに出ることにより有名になり仕事が増えるということはあるが、大学教授、研究者、政治家なども同じ価値観を持ってテレビに出演し、コメンテイターになり、いわゆる「人気者」になることを良しとしている風潮がある。「人気者」を偉いとする背景に、ゆとり教育があるそうだ。勉強ができる者やスポーツが得意な者より、仲間が多い人気者の方が偉いということになるらしい。
テレビに出る人は一流で偉くて信頼できるという既成概念ができあがっていることが怖いと思う。
テレビは、政治についても事件についても、画一的なことしか伝えない。
政治については、官僚側からのリーク情報を記者クラブで受け取り、全く同じ内容をテレビや新聞が報道する。一般国民は、それが信頼できると思っているから、世論を誘導することができる。
事件については、被害者が神様という立場で、徹底的に加害者を糾弾する。医療過誤であれば医師や病院は犯罪者として扱われる。
また、どの局もどの時間帯もお笑い芸人ばかりが出演し、「箸が転んだらおかしい」的な実に低レベルの笑いをまき散らしている。年配者や高齢者も笑えるようなレベルの高いお笑い番組を提供して欲しい。
参考情報:和田秀樹オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/wadahideki/entry-10614821826.html
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【内容情報】(「BOOK」データベースより)
あなたはテレビに殺される。運よく命まで奪われなくとも、見れば見るほど心身の健康と知性が損なわれること間違いなし。「『命を大切に』報道が医療を潰す」「元ヤンキーに教育を語らせる愚」「自殺報道が自殺をつくる」―。精神科医として、教育関係者として、父親としての視点から、テレビが与える甚大な損害について縦横に考察。蔓延する「テレビ的思考」を精神分析してみれば、すべての元凶が見えてきた。
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【目次】(「BOOK」データベースより)
1 「ウエスト58cm幻想」の大罪/2 「正義」とは被害者と一緒に騒ぐことではない/3 「命を大切に」報道が医療を潰す/4 元ヤンキーに教育を語らせる愚/5 画面の中に「地方」は存在しない/6 自殺報道が自殺をつくる/7 高齢者は日本に存在しないという姿勢/8 テレビを精神分析する