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空中ブランコ (文春文庫)

空中ブランコ  

神経科医師伊良部シリーズの短編集第2作。

空中ブランコ
 跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り
ハリネズミ
 尖端恐怖症のやくざ
義父のヅラ
 医学部長の娘婿
ホットコーナー
 大型ルーキーへの対抗心から一塁暴投してしまうベテラン三塁手
女流作家
 本当は本格小説を書きたいが、トレンディーもの路線から脱却できないことに悩む作家

内容(「BOOK」データベースより)
伊良部総合病院地下の神経科には、跳べなくなったサーカスの空中ブランコ乗り、尖端恐怖症のやくざなど、今日も悩める患者たちが訪れる。だが色白でデブの担当医・伊良部一郎には妙な性癖が...。この男、泣く子も黙るトンデモ精神科医か、はたまた病める者は癒やされる名医か!?直木賞受賞、絶好調の大人気シリーズ第2弾。

イン・ザ・プール (文春文庫)

  

神経科医師伊良部シリーズの短編集第1作。
現代人が陥りそうな心の病を抱えた「患者」を「神経科医師伊良部」が治療していくという設定だ。表面的には伊良部と看護婦マユミの常識を越えた治療法や言動がおもしろいのだが、患者を通じてストレスに晒されて生きている現代人を皮肉り、そういう患者が出現する現在を風刺していると感じる。
一見無謀な治療だが核心を突いているところが、また惹かれるところでもある。
それにしても、このシリーズのカバーに逆さに移っている赤ん坊は何を意味しているのだろうか??

・イン・ザ・プール
 心身症治療のため水泳にのめり込み水泳依存症になってしまった編集者
・勃ちっ放し
 うっぷんのはけ口がなくため込んでいたため陰茎剛直症になってしまった会社員
・コンパニオン
 自意識過剰でストーカー被害妄想になってしまったコンパニオン
・フレンズ
 他人に嫌われたくない、無視されたくない、仲間であると思い込みたい、そのためにケータイなしでは生活できなくなった携帯依存症の高校生
・いてもたっても
 タバコの火による火災、漏電による火災が心配で心配でいてもたってもいられなくなるルポライター

内容(「BOOK」データベースより)
「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖...訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か。

検索バカ (朝日新書)

検索バカ  

藤原氏は「暴走老人」の著者としても知られるらしいが、これは読んだことがない。
最近の本のタイトルには逆説的、否定的なものが多いがこれもそうだ。「バカ」という言葉をタイトルに入れることによって何を狙っているのだろうかと考えてしまった。意外性とか疑問を抱かせるなどだろうか。私も店頭でタイトルをみて「何これ?」と手に取りパラパラと中身をみて買ってしまったので「つかみ」は良いということになるのかもしれない。

要点は「はじめに」に書かれている。検索だけではダメ、それを自分の成果と勘違いしてはいけない、情報ではなく思考、検索ではなく思索が大事だ。また、現在の日本には「空気を読め」という同調圧力の風潮が強く、これは何事も目立たないように他人の顔色ばかりうかがうこと、つまり思考停止を引き起こすことになる。
自分で考えること、言葉と対話を取り戻そうと呼びかける内容となっている。
一例として書かれている「この本には結論がないというレビューが増えている」には同じ感想を持ったことがある。Amazonのレビューで、個人的にはなかなか良いことが書かれたと思う本の評価が思ったほど高くないことがある。悪い評価の理由を見ると「問題点を指摘するだけで解決策が示されていない」とか「だから何が言いたいのか?」といったものが多いのだ。

同じようにPC検索や閲覧の問題を指摘している本に「フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる(築山節)」があったのを思い出した。PCに依存しすぎると脳が怠けるようになってフリーズしてしまうよという警鐘的な内容だったと記憶している。脳も生活習慣病になるということだ。築山氏は脳神経外科の医者だったと思う。

【目次】(「BOOK」データベースより)
1章 検索バカは、何を失くしたか
2章 クウキに支配される日常
3章 「やさしさ」と「暴走」の時代
4章 不安定な「場」としての家庭、教室
5章 「予定調和」はいつ誕生したか
6章 同調圧力が独自の「思考」と「行動」を奪う
7章 世間から露骨へ
8章 失われゆく「対話」と「議論」
9章 身体性なき言葉は、貧弱になる
10章 沈黙の力/終章 生きることは考えること

【内容情報】(「BOOK」データベースより)
思考が検索に、言葉が情報に劣化していく今、私たちは「考える力」を再生できるか。さらに「空気を読め」という同調圧力が、自立した思考を奪っている。一個人として、世の中を生き抜く思索力とは。

国家の品格 (新潮新書)

国家の品格  

品格本ブームの口火を切った本で、2005年11月に発売されたものだが、なかなか読む機会がなくやっと先日読んだ。
帝国主義、共産主義、資本主義、民主主義などの「論理」を徹底していくと破綻する、その理由は、?論理には限界がある、?最も重要なことは論理で説明できない、?論理には出発点が必要、?論理は長くはなり得ない、とのことだ。数学者らしく例を挙げて説明している(詳細は省略)。
そこで、世界に類のない独自の発展をしてきた日本は、武士道精神と「情緒と形」をもって、品格ある国家を保ち世界を救うべきだと言う。
「近代的合理精神の破綻」には同意できる。戦後追いつき追い越せと頑張った結果が今の日本で、物質的には豊かになったが、精神的な面でギスギスした社会になっていることは否定できない事実である。多くの会社には頑張った者が報われるという成果主義・実力主義が導入され、その結果チームワークや後輩を育成することが疎かになってしまっている。
「卑怯を憎め」ということにも同意できる。「小学生に英語授業なんて必要ない」も然り。
日本人が今の世界の中で何をすべきか、どういう考え方を持って行動すべきかを述べているのだが、読んでいて唐突な感じのする論理の飛躍や物事の断定をやや感じる。
「情緒」というのは分かるのだが、「形」とは何を指しているのか最後まで理解できなかった。


目次(「BOOK」データベースより)
第1章 近代的合理精神の限界
第2章 「論理」だけでは世界が破綻する
第3章 自由、平等、民主主義を疑う
第4章 「情緒」と「形」の国、日本
第5章 「武士道精神」の復活を
第6章 なぜ「情緒と形」が大事なのか
第7章 国家の品格


内容(「BOOK」データベースより)
日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。すべての日本人に誇りと自信を与える画期的提言。

ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか? (新潮文庫)

ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?  

著者がオーストラリアのブリスベンに家族5人で移住し、自身の経験をもとに執筆した内容が中心である。
まとめれば、日本人が思っているほど日本や日本人が嫌われているわけではないということだ。
最初の話題は「外国では安易に謝ってはいけない」は本当かというものだが、オーストラリアやイギリス、アイルランドでは「ソーリー」とよく言うそうだ。また、オーストラリアの子供の躾の基本は、「サンキュー」「プリーズ」「エクスキューズ・ミー」なのだとか。イギリス文化圏は日本と似ているのかもしれない。
次は「自己主張しないのは日本人の欠点か」についてだが、外国人が皆自己主張ばかりするとは限らない、TVなどでみる外国人(政治家、タレント等)は、自己主張することが仕事だからであって、普通の人はそうでもないという。「意見はたまに言うから重みが出る」「意見を聞いて調整する能力があること」と考えればいい。これも個人の立場や性格によるところが多いと思われるので納得できる話だ。
クールジャパンとは、日本のアニメやコミックなどが海外で受け入れられていることだけかと思ったら、ハイブリッドカー、ウォシュレット、しゃべるトラック「バックします」なども評価が高いそうだ。もちろん、ヘルシー食としての日本食も十分全世界に知れ渡っているようだ。
日本のマスコミで報道される「反日」「嫌日」に過敏になるな、普通の人が見なそう思っているわけではない、日本人は自信を持てよという。
最後に著者は、最もグローバル・スタンダードからかけ離れた国はアメリカだと。自国のやり方を押しつけるために「グローバル・スタンダード」と言っているだけだと書いている。格差の増大、派遣労働者の増加、企業における終身雇用の崩壊、成果主義導入、会社は株主のものという考え方の蔓延などいずれもグローバル化という名の下に行われたアメリカ化だということだ。


【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 日本人は「異質」なのか/
第2章 「流行語」を鵜呑みにするな/
第3章 「日本人の欠点」は「日本人の特技」だ/
第4章 ウォシュレットから丼まで。日本の評価・最新版/
第5章 日本語からキャラまで。日本がオシャレ/
第6章 一番の「嫌日国」は日本かもしれない

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